綺譚の箱庭

好きな怪談・奇談集の要約を。

  • 【不思議な顔】従弟の家に怪物が出るというので退治することになった。すごくヘンな顔の怪物を鉄砲で撃つと、あっさり壊れてしまった。甕(カメ)の化け物だったのだ。ヘンな顔は、子どものいたずら書きだった。(「中国怪奇小説集」332頁)
  • 【首の飛ぶ女】将軍のやとった女は落頭民だった。夜中に眠ると、耳を翼にして、首だけが飛んで外出するのだ。戻ることができないと、死んでしまいそうになる。クビ!にしたが、よくよく聞いてみると、人種の特徴で、化け物ではなかった。(「中国怪奇小説集」22頁)
  • 【西湖主】湖で竜を助けた青年が、後に同じ湖で遭難して、不思議な場所に出た。そこで、助けた竜と再会し、竜の娘と結ばれる。しかし、現実世界でも彼は同時に生活していた。(「聊斎志異」第1巻p.17)
  • 【妾撃賊】本妻にいじめられていた妾は、賊が入ったとき、棒で全員を打ち据えた。実は槍棒の秘術を身に付けた女だった。100人くらい平気とか。本妻はビビったが、妾は本妻を立てつづけた。(「聊斎志異」第1巻32頁)
  • 【鞏仙】道士が王に合おうとしたが、追い払われたので術を使い尊敬を得た。会いにくい事情の恋人たちに、袖の中で逢引も出産もさせてやった。産の血で穢れた衣服を取っておくと、道士が死んだ後にもご利益があった。死んだと思われた道士に会った者が現れ、調べると棺は空だった。(「聊斎志異」第1巻34頁)
  • 【辛十四娘】青年が少女(十四娘)をみそめ、血縁の幽霊の援けも得て結婚した。どうやら異界のものらしいが、気にしなかった。妻の助言に従わない付き合いをし冤罪で逮捕されるが、彼女に救われる。それからまもなく、妻は代わりの女を置いて死んだ。後に十四娘に会った者がいて、彼女はもう仙人になったということだった。(「聊斎志異」第1巻46頁)
  • 【宅妖】いろいろ怪しいことの多い家があった。あるとき大勢の小人たちがやってきた。どうやら葬式をしているらしい。休んでいた秀才が騒いで皆がやってくると消えていた。(「聊斎志異」第1巻64頁)
  • 【羅刹海市】金持ち、美形、頭脳明晰、歌や舞が好きな青年が大羅刹国に流れ着く。そこは顔の美醜が逆転した国。青年は醜い者になった。あるとき海に立つと言われる市に行って、竜王の息子と出会う。竜王の姫と結婚する。3年たち、青年は故郷に帰る。後に赤ん坊(青年の子)を2人渡される。少し成長した頃、女(たぶん姫)が現れるがアイテムを渡してすぐ消える。(「聊斎志異」第1巻67頁)
  • 【杜小雷】杜小雷の妻は盲目の老母にいやがらせをした。その夜、妻は豚に変じた。(「聊斎志異」第1巻84頁)
  • 【香玉】牡丹と椿のもとで二人の美女を見かけた。詩を残しておくと、読んだ女の一人が風流さにひかれやってきた。男と女はふかい仲になった。別れがきたとき牡丹が取って行かれたことがわかり、女たちが花妖だったと知れる。その後はもう一人の花妖とつきあう。後に牡丹が復活し、三人で仲良くやっていく。男が死ぬと牡丹のそばに木がはえる。花が咲かないので伐ってしまうと、牡丹も椿も死んでしまった。(「聊斎志異」第1巻87頁)
  • 【単道士】若様が客分にしていた道士は仲違いし別れることになったとき袖からテーブルがいっぱいになるほどの酒や肴を出してお別れパーティーを開きその後壁に描いた城の城門から絵の中に入っていった。(「聊斎志異」第1巻p.102)
  • 【大根戦士】健康のためにいつも大根を食べてはった人が賊に襲われたとき、大根の化身たちに救われたんやて。(「徒然草」第68段)
  • 【もとのマメには戻られへん】豆殻を燃やして豆を煮てたら、「なんでそんなことすんねん」と豆が豆殻に文句つけてた。豆殻は「やりとうてやってんのとちゃうねん」と言い訳してたんやて。(「徒然草」第69段)
  • 【五匹のもののけ】あやしいゆうて評判の寺で旅の坊さんが一夜をすごすことにしたんやけど出るわ出るわで五ひきのもののけがやってきてあれやこれや脅かすんやけどぜんぜん動じてくれへんからあきらめて夜明けには帰ってもうたんやけどけっこう食えん坊主でもののけどもの正体を見極めよったんやね殺生はアカンが仏法のためやとか抜かして檀家の連中に命じて全部退治してもうて自分はちゃっかりその寺に収まったんやて。(「江戸怪談集」)
  • 【寝床は壷】屋根の上に置いてある壷の中で眠る仙人がいる。(「大仙人」)

参考資料