猫の目のまだ昼過ぬ春日かな(鬼貫) 猫の恋やむ時閨の朧月(芭蕉) うららかに猫にものいふ妻のこゑ(草城)
そのわけは鞄につめし春の雲 春昼のかなしき眼鏡はずすとき 春雷にたたかいいどむ猫いっぴき おぼろづき手に冷たしやわらかし 春陰の街のすきまにさまよいて けさからはつよきひかりのつつじかな
休日は灌木を書架に。 場末のひなびた水族館で遺書が泳いでいた。
だからこそ 夜更けも旨し 夏はじめ 関係なしといへど気配は夏休み 炎天にことわりずれし路地の街 短夜の分厚き書物熱を溜め 夏の夜のふれるものみな人肌と ひさし打つ雨安っぽく踊る しみじみと雨見し縁に蝶入る
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